作家としての芸の肥やしのため、過日、日本最大級の柑橘類、晩白柚を取り寄せてみた。
バンペイユと読む。
まずはその大きさをご覧頂きたい。
比較は通常サイズのミカン。
「…すごく…大きいです…」
端的に言って、化け物である。
さっそく剥いてみた。皮が極めて分厚いから、手では剥けない。包丁を使う。
まずヘタの部分を切断。ついで縦へ均等に切り込みを入れ、エイヤッと渾身の力で剥ぐ。
深く切り込んだつもりだが、果肉まで及ばなかったほど皮が厚く、中身は外見と比べて一回りは小さくなった。
それでもたいへんな大きさだ。
どうだい、こいつをどう思う?
比較対象は、再びミカン君の出番である。
島内生物や植物が片っ端から巨大な、ジューヌ・ヴェルヌのミステリアスアイランドに生えていてもおかしくない。
何しろたった一房で、家人の掌いっぱいだ。
さて肝心の味の方だが、残念ながら「甘い!」というほどではない。
しかしながら、無垢。純朴。岩清水のような清楚がある。
お好みで、砂糖をふりかけてもいいそうだ。
余った幾らかをラップで包み、冷凍庫で凍らせてみた。個人的にはこの食べ方がいちばん甘露を感じられた。
余った皮と、実との間にある白くふわふわとした綿状の部分は、砂糖漬け、砂糖煮として利用出来る。
旬は12月から1月くらいまで。
ひとつ、お試しあれ!