酒樽屋日記

ライトノベル作家:樽見京一郎(艦船写真家:酒樽蔵之介)の駄文です

天下一品こってりMAX

一部界隈で話題の、天下一品こってりMAXが地元店舗にも実装されたので食べてきた。

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コイツ、赤いドンブリに入って出てきました。美味さ三倍ということなのか。

結論から言えば、私個人の好感度は大。

元々、濃いラーメン好きなんですよ。もう、箸が立つくらいものが理想の一つ。

天下一品の通常のこってりは、店舗に依ってはダシに「何かが足りない」感があります。

ところがコイツにはそんな不満足が無い。追加ラーメンタレなどいりません。

素晴らしい。

しかも、ドロドロなほど濃いにも関わらず、濃すぎるという事も無い。

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ニンニクは加えて下さい。それはマストで。

天下一品特有の、少し硬めの麺とスープが良く絡む。

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同じく従来のものを一新して登場した羽付き餃子と合わせれば、大盛りご飯もあっという間に飲めちゃう消えちゃうこと、請け合いです。

 

柿の葉寿司とFFM

土曜は、いつものように「フネ見」に。

趣味としても、創作の参考としても、息抜きとしても何よりの時間。

仲間内でダベってるうちに、その内容から思いつくネタもあり、本当にありがたい。

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たまには珍しいフネも見られるよ。

こちらは別日に撮影できた、最新鋭「もがみ」型FFM「のしろ」。

FFMというのは…アレだ。ほれ、分かるじゃろ…?

FFMじゃよ…

「従来の護衛艦よりコンパクトな船体に、比較的限定されているものの多目的な機能を搭載し、量産と省人化を狙った、海上自衛隊の新艦種」

こげな感じか。

間違っとるかもしれん。

ともかくも。現今の目まぐるしく変化した内外の環境に対応すべく鋭意建造中の、海自さんの新たなワークホース。

 

帰りは、京都府福知山市大江町にある駿田屋に寄り道。

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こちらは、地域の老舗。

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柿の葉寿司を名代に商っている。

家人への軽い土産にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ナポレオン戦争期の地方及び村落における食糧備蓄量推定

飢饉や戦争が身近で、いまほど肥料や品種改良、物流網も充分ではなかった時代。

ヨーロッパの村落はイザという場合に備えて食糧を蓄えておりました。

しばしばそのような食糧は、軍隊にとって現地調達の対象にもなったのでございます。

今日はそんな時代の御話。

ただし対象の時代は中世から近世、近代とあまりに長く、またヨーロッパと申しても広うございます。

主語を大きくすると火種の元、あっという間に火事ボーボー。

あくまでナポレオン戦争中の、一村落の事例としておきたいと思います。

 

まず、当時のフランス大陸軍下士官卒にどれくらいの食糧供給量を定めていたのか。

一名当たり一日約1kg弱

内訳は、パン1.5ポンド(680g)、肉0.5ポンド(226g)、米1オンス(28g)もしくは乾燥果物2オンス(56g)だそうです。

第一大戦中のフランス軍が4.4kg。英米軍で3.352kg。いちばん少ないイタリア軍で1.35kgだったそうですから「1日1kg」というのはかなり少ないように思えます。

そこはまあ、時代が時代でしたので供給量が定まっているだけマシというもの。貧弱な補給体制の下、謳い文句通りに支給して貰えるだけでもありがたかったことでしょう。むしろそこまでやれていたかの方があやしい。少なくとも部隊間や地域間でバラバラといったところでしょう。

 

因みにナポレオン軍はいわゆる掠奪兵の群れではありません。少なくとも表面上、体制上は。進軍予定となる地域の街や村落に、これこれ、どれくらいの兵隊が通過するから、何日までにこれくらいの食糧を用意しておきなさいよ、というやり方です。

そして紙の領収証を発行します。将来いつの日にか、一体いつになるか分かりませんが代価はお支払いしますよ、という建前。

かのネイ将軍などは、このような挑発をやるとき「現地住民もフランス人であるかのように扱うことを忘れないように」と指示していたともいいます。

・・・どういう意味かは、解釈の難しいところですが。

そんなやり方で、例えば「ストラスブールの街には50万人分のビスケットを用意しておくよう」「バヴァリア選挙候は100万人分のビスケットをヴァルツブルクとウルムの街に二等分して準備しておくように」に、などと命令するわけですね。

実際には、38万人分しか準備できなかったとしても。

軍が準備した30万名分の後方食糧到着が実際にはさっぱり間に合わなかったとしても。

 

ともかくも計算上の目安が出たところで、今回の眼目である地方及び村落の備蓄量です。

プヴァールという小さな村(戸数40軒。住民数600)に、マルモン将軍と麾下1万2000の兵が5日間滞在したとき「彼らは何も不自由することが無かった」といいます。

つまり最低でも冒頭の支給基準を満たせていたと想定した場合、

1万2000×5日×1kg=約60トン。

この小さな村は提供できたわけですね。

…正気か。本当かよ。ちょっと信じられない量です。

 

他例

かのスルト将軍がハイルブロンの街とその周辺地域(数定全人口1万5000から1万6000)から徴発した物資量

8万5000名分のパン口糧。

2万4000ポンドの塩。

3600束の干し草。

6000袋の燕麦

5000パイントのワイン。

800束の藁と100台の四頭立て馬車。

 

ハール地方(推定人口8000)からの徴発量

6 万人分のパン口糧

3万5000ポンドの食肉

4000パイントのワイン

10万束の干し草および藁

40台分の四頭立て馬車、100台分のその他の馬車

200頭の馬具付き馬匹

 

………嘘やん。

 

※今回の記事は、拙作小説の参考資料における原本及び他資料確認作業中の一環です

 

参考資料「欧洲戦に於ける聯合軍軍需補給の実績」

国会図書館デジタルアーカイブ

dl.ndl.go.jp

 

増補新版-補給戦-ヴァレンシュタインからパットンまでのロジスティクスの歴史 (単行本)

 

 

映画「鉄路の闘い」

鉄路の闘い」という映画があります。

第二次世界大戦直後の1946年に作られた、フランス製の戦争映画です。

フランス鉄道労働者たちのレジスタンス活動を描いたセミ・ドキュメンタリータッチのもので、監督はルネ・クレマン

のちに傑作「禁じられた遊び」や「太陽がいっぱい」、戦争映画では「海の牙」や「パリは燃えているか」を撮ることになるクレマンにとって、初の長編監督映画になります。

鉄路の戦い [DVD]

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  • アントワーヌ・ローラン
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話の筋としては、ドイツ占領下のフランス、あの手この手でドイツ軍に抵抗する鉄道労働者たちを描いたもの。
はっきりいって、爽快感には乏しいです。
ハリウッド製アクション映画のような---例えば似たコンセプトにある「大列車作戦」のような‟盛り上がるストーリー”などありません。
むしろ淡々と、ドキュメンタリータッチで描くことに専念した作品です。
しかし、だからこそリアル
戦争終結直後に作られただけあって、破壊工作に依って吹き飛ばされるドイツ軍の兵器なども、おそらく鹵獲のものを使った本物

おまけに特撮などではなく、本物の貨物輸送列車一編成を実際に爆破して谷底に落とすという豪快極まる撮影です。
レジスタンスを警戒するドイツ軍の装甲列車から降り立つ戦車も、戦前にフランス軍が使っていたルノーR35の長砲身型。
ドイツ軍は占領地警備に鹵獲兵器を使っていましたから、そんなところまでリアル。
しかもこれがまた、軽武装レジスタンス側からみれば暴虐無道に思えるほど強い。

強そうに見えちゃうR35なんて、なかなか珍しいのでは。
撮影条件もまだまだ大らかだった()時代だけあって、物の資料によると空砲よりも実弾を使ったシーンが多いのだとか。
当然ながら使用されている鉄道車両や器材、工具なども当時の本物です。

起重機車までたっぷり見れちゃうとか、鉄道関係がお好きな方にも貴重な映像資料なのでは。
あまりにもリアルなため、当時の仏領インドシナでの公開は早々に打ち切られたそう。
なぜなら劇中で使われた破壊工作があまりにもガチすぎ、植民地の抵抗運動に利用されかねないからだそうで。
実際、ベトミンは鉄道破壊工作にこの映画を参考にしたらしい、とあちらの資料には記載があったり。
それほどリアルなのです。
私自身も含め、マニアなら垂涎のシーンばかりですが、私にとって印象に残ったのは実は別の部分。
この作品の一番凄まじいところは、出演の一部俳優たちを除いて、画面に出てくる鉄道労働者たちの多くが当事者たちそのものということです。
ドイツ軍に捕まった者たちの顔。
あれは実際の光景を知る者にしか出来ない顔をしているように思えます。
 
既に著作権も切れており、国内販売のDVDはかなりお安いものもあります。
Amazonプライムにもあり、ご興味のある方はぜひ。
 

「史上初めて音速を超えた男」イェーガー生誕100周年

人類の歴史には、何事にも「初めて」があるもので。

超音速飛行にも当然「初めて達成した人物」がいます。

公式記録として世界で初めて音速を超えた」のが、米空軍のチャック・イェーガー

1947年10月14日のことでございました。

U.S. Air Force photo - Chuck Yeager next to experimental aircraft Bell X-1 Glamorous Glennis

なんでまあ「公式記録として」なんて面倒くさい表現を冠するかといいますと、「ほんまはこっちが先に超えとった例やで」と囁かれる未確認な(そして眉唾な)御話が他に幾つかあるからですね。

しかしまあ、しっかりと記録に残るものとしては誰がなんというとイェーガーが初。

おまけにこの記録、飛行の2日前に落馬事故で肋骨を骨折、交替させられるのが嫌でそれを隠したまま音速を超えちゃったという、とんでもない武勇伝でもあります。

そんなイェーガーさんですからタフそのもの。

その後は教官なども務め、最終的には少将まで進み、2005年に無事予備役へ。

超音速突破記録65周年に当たる2012年には、現役パイロットの操縦するF-15戦闘機に乗り込み、齢89にして超音速飛行を再体験したというお元気ぶりでした。

残念ながら、2020年に没。

本日2023年2月13日は、彼チャック・イェーガーの生誕100周年記念日であります。

 

音速突破時の彼の様子は、傑作宇宙開発史映画「ライトスタッフに登場しますので、機微にも触れられます。

しっかり肋骨骨折の下りも触れられていますので、どうやって隠したのか、その機微をぜひご確認ください。

ご本人自身も、パイロットたちが集う「パンチョの店」の片隅でカメオ出演

※映画はあくまで映画。劇中には史実と異なる部分もあります。

 

ライトスタッフ 製作30周年記念版 [Blu-ray]

 

 

来来亭のこってりラーメン

滋賀発祥、近畿圏を中心に勢力を拡大してる来来亭のラーメンがね、好きなのよ。

www.rairaitei.co.jp


麺は細め。好みで固さを選べる。
チャーシューは薄めで、そのぶん柔らかい。
色々種類があるなかで、私は「こってり」がいい。
冬でも熱々にスープを保ってくれる背油。
葱多めで頼む。

どれぐらい好きかというと、まだ京都北部には無かったころ、亀岡まで食いに行ってたくらい。

薄めのチャーシューは、焼き豚として注文しても素晴らしい
この魅惑的な脂の照りを観てくれ。

辛子をつけて、白ゴハンとともにハフハフ。

最高ですよー。

比較的近年投入されたメニューのなかでは、塩ラーメンが注目株。

しっかりとした塩スープに、鰹節、柚子、白髪ねぎが効く。和を感じますね。
こいつにはトッピングで選べるワンタンも合うと思う。

新規メニューだと、まぜそば台湾まぜそばがある。

麺は太め。メニューの種類によって、麺の太さを変えてきよるわけですわ。

こいつはかなり味がしっかりしてる
ゴハン必須ですな。

 

京都府ってね、意外といいますかラーメンは濃いスープの店が多いんですよ。
かの天一も発祥は京都ですからね。横綱ラーメンや第一旭、たかばしも。
コッテリ系や、醤油でも醤油トンコツのような濃いもの。
ふだんの薄味からの反動だという説もあり。

 

来来亭は、決して近頃流行りの洒落たお店でもメニューでもない。

揚げ物から飲茶までカバーする、ガテン系の充実メニュー。

おしとやかさかなぐり捨て、がっつり食べたい気分のときに、ぜひ。