酒樽屋日記

ライトノベル作家:樽見京一郎(艦船写真家:酒樽蔵之介)の駄文です

現代語訳「巴里籠城日誌」について

おこんばんは、おばんです。

今日は、拙著「オルクセン王国史 ~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~」の参考文献のうち一つについて。

https://ncode.syosetu.com/n3719hb/

小説家になろう及びカクヨムにて連載中、昨年10月「一二三書房第2回WEB小説大賞」にて金賞を頂き、本年中に一二三書房サーガフォレスト様より書籍化及びコミカライズ予定の作品です。

www.hifumi.co.jp

どんなお話かと申しますと、まぁ、かいつまんで申せばハートフル異世界近代ファンタジー

ええ、ハートフルです。

オークにエルフ、ダークエルフドワーフコボルトといったファンタジーな種族たちが登場。

凄惨な民族浄化、近代戦争、騎兵、要塞戦、海戦、会戦、兵站活動を繰り広げる。

間違いなくハートフルですね、はい。

書き始めた当初は、アレコレサッパリ分からないことばかりだったので、様々な書籍・資料にお導きを頂きました。

その中の一冊が、「巴里籠城日記」。

 

現代語訳 巴里籠城日誌

西暦1870年にプロイセンとフランスの間に勃発した普仏戦争に遭遇した、広島藩出身の留学生渡正元が記した観戦記録です。
普仏戦争は、「オルクセン王国史」のモデルにした戦争の一つ。
その観戦記録は、大変参考になりました。
ただしこの記録、しばしば内容が間違っています。特に戦況の細部は実際のものとは異なります。渡正元がパリに滞在したまま、プロパガンダ報道や伝聞に基づいた記載をしたため、参加兵力や推移などが誤解されたままなんですね。
ご本人自身の誤解、記憶間違いなども。
しかし、その伝わり方そのものが資料と言えます。
いったい、国境部の前線から後方のパリまで、当時の通信技術・報道で何日かかって詳報が伝わるのか。
それがどのように変容して市井に伝わるのか
もちろん、渡本人が目撃した市井社会の様子、人心の混乱ぶり、諸物価の騰貴などは無垢で純粋、そのまま一級の資料と言えましょう。
しかもご紹介したものは、現代語訳されています。たいへん読みやすい。
ぜひぜひご一読あれ。